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アトピー性皮膚炎

湿疹を繰り返す
「アトピー性皮膚炎」

アトピー性皮膚炎アトピー性皮膚炎は、増悪と軽快を繰り返す、瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患です。
アトピー性皮膚炎は一般に乳幼児・小児期に発症し、加齢とともにその数は減少し、一部の方が成人型アトピー性皮膚炎に移行すると考えられています。
大人で発症する例も珍しくありません。

大人になって発症する
アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の
3つの発症時期

乳児期

頬を中心とし頭や顔などの露出部に乾燥、赤みを認めます。
特に、離乳期には口のまわりや頬によくみられます。
ひどくなると、耳周囲・首・肘・膝、その後胸・背にも広がります。

幼児期・学童期

顔の湿疹は減りますが、首やひじの内側やひざの裏側などの関節部分、手首などに症状があらわれるようになります。
かゆくてくり返しかいてしまうため、苔癬化(皮膚が分厚くゴワゴワすること)、痒疹結節(激しいかゆみを伴う硬いしこり)を認めることもあります。
学童期に寛解する方もいますが、大人まで続く方もいます。

成人期

大人になってから初めて発症する場合があります。胸・背中など上半身に強い症状が表れる傾向があります。
皮疹が顔や首が中心である顔面型、瘙痒の強いしこりが体幹や四肢に多発する痒疹型、全身が真っ赤になる重症例もあります。

アトピー性皮膚炎の原因

アトピー素因(気管支喘息、アレルギー性鼻炎、結膜炎などの家族歴、既往歴がある、もしくはIgE抗体を産生しやすい素因)と皮膚のバリア機能が弱いことなどを背景に、様々な病因が関わることで発症します。
ダニやほこり、刺激物への曝露の他、ライフスタイル、温熱、発汗が悪化の原因ともなり、ウール繊維、精神的ストレス、食物、飲酒などによる影響もあると言われています。

アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎の治療アトピー性皮膚炎の治療は、重症度に応じた方法で行います。また、増悪因子を取り除くための対策や日頃のスキンケアの方法などについても分かりやすくご説明します。また、一回の採血で39種類のアレルギーを調べることが可能なアレルギー検査もご案内しております。検査には保険が適用されるため、お気軽にご相談ください。

要因の除去・対策

アトピー性皮膚炎の増悪因子には、アレルギーの原因物質となるアレルゲン(ハウスダスト、真菌、ペットの毛、食べ物)、ストレス、発汗などが挙げられます。これらの増悪因子を取り除くことで症状の解消が見込めます。

保湿剤

皮膚のバリア機能を改善するためには保湿が欠かせません。保湿剤は、ローション・クリーム・軟膏など種類が様々あり、患者様の状態に応じて適切なものを選択します。大人のアトピー性皮膚炎は完治は難しいため、治療により皮膚の状態が回復してからも、適切な保湿を継続することが大切です。また、適切なスキンケア方法を身に付け、毎日継続しましょう。

スキンケアの注意点

スキンケアの注意点皮膚の汚れや汗は刺激物資となり、症状の増悪を招きますので、汚れが付着したり汗をかいたりしたときは拭き取ってください。入浴の際にナイロンタオルなどで皮膚を擦ることは控えましょう。しっかりと泡立てた石鹸を使って、手のひらで皮膚を丁寧に転がすようにして洗ってください。また、身体を洗う石鹸や洗濯用洗剤は、合成添加物や香料がなるべく含まれていない刺激が少ないものを使いましょう。バスタブやシャワーのお湯の温度は少しぬるいくらいにしてください。入浴後は、乾いたタオルで優しく吸い取るように水気を取り、なるべく早めに保湿しましょう。

外用薬

外用薬では第一選択薬はステロイドを使用します。ステロイドは炎症を短期間で鎮める効果が期待できます。種類は様々あり、炎症に応じたタイプを患部に塗布することにより短期間で効果を得られます。
寛解維持、またステロイド長期外用の副作用を防ぐため、下記の薬剤も症状に応じて使用します。

① 免疫抑制剤

カルシニューリン外用剤であるタクロリムス(商品名:プロトピック)
ヤヌスキナーゼ(JAK)外用剤であるデルゴシチニブ(商品名:コレクチム軟膏)

② PDE4阻害薬

ジファラミラスト(商品名:モイゼルト軟膏)

③ AhR調整剤

タピナロフ(商品名:ブイタマークリーム)

内服薬

アトピー性皮膚炎で発生する湿疹には強いかゆみを伴います。かゆみが気になって掻きむしることで症状が重症化し、かゆみがより激しくなります。こうした負の連鎖を止めるには内服タイプの抗ヒスタミン薬が効果的です。また、外用薬では効果が不十分な重症例では、当院では注射薬を用いた治療を行っております。

アトピー性皮膚炎の新薬
「デュピクセント」

当院では15歳以上の患者様に限り、生物学的製剤を用いております。
デュピクセントは、かゆみや皮疹を引き起こす「IL-4」と「IL-13」というタンパク質(サイトカイン)に直接働きかけ、Th2細胞による炎症反応を抑える新薬です。治療効果が高く、従来の治療では満足いく効果が得られなかった中等症から重症のアトピー性皮膚炎の患者様向けの注射製剤です。

デュピクセントを
受けることができる方

  • アトピー性皮膚炎の中等症から重症に該当する方
  • 抗炎症外用薬(プロトピック軟膏・ステロイド外用剤など)などの使用を一定期間継続したが、効果が乏しかった方
  • デュピクセント投与とともに、保湿外用薬や抗炎症外用薬による治療を適切な方法で続けることができる方

※基本的に外用薬を併せて使って頂きます。

デュピクセントの
投与方法

  1. 1回目、2回目は院内で注射します(予約制)。3回目以降は2週間おきにご自宅で自己注射、もしくは院内で継続して注射のいずれかを選んでいただきます。

自己注射について

デュピクセントの自己注射は2019年6月から認められ、3ヶ月分の注射剤を処方できるようになっています。ご自宅にて患者様自身で注射して頂くことで、通院回数を減らせます。また、患者様の年収によっては、高額医療費の助成対象となる場合もあります。なお、自己注射を始めるためには、院内で少なくとも2回以上の注射で副作用がないことを確認し、指導を受けることが条件となります。当院では、分かりやすく丁寧な指導を心がけていますので、どうぞご安心ください。

デュピクセントの
治療費用

デュピクセントは保険診療となります。年齢や年収、加入中の健康保険組合によって条件は異なりますが、高額医療費制度が適用される場合、自己負担額の上限を超えれば助成を受けられることがあります。また、会社によっては付加給付制度があり、一定金額を超えると給付を受けられる場合もあります。

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受付時間/月・火・水・金 9:30~18:00、木・土 9:30~12:45