皮膚科(保険診療のご案内)
当院では、皮膚科専門医が肌・爪・髪に関する病気や症状の診察・治療を行っています。お子様から高齢者に至るまで、年代を問わず様々な患者様を診療しておりますので、お気軽にご相談ください。
未成年(18歳未満)の患者様の受診について
医療の性質上、診療中に患者様の健康や生命に関わる重要な判断を要する場合がございます。そのため、当院では原則として保護者の方のご同伴をお願いしております。
なお、18歳であっても高校在学中の方につきましては、以下の規則に基づき対応させていただきますので、予めご了承くださいますようお願い申し上げます。
初診の場合
必ず保護者の方の同伴をお願いいたします。
再診の場合
- 小学生までのお子様は、いかなる場合も単独での受診はお断りしております。必ず保護者の方とご一緒にご来院ください。
- 中学生・高校生の方につきましてはやむを得ず単独で受診される場合、【未成年者の診察等同意書】に保護者の直筆署名をいただき受付にご提出ください。
皮膚科 診察の流れ
1WEB予約・WEB問診
WEB問診票にご協力ください。(ウェブ問診が難しい方は受付時に紙の問診票をお渡しします。)
直接ご来院いただいた場合でも診察を承っておりますが、順番待ちの方を優先してご案内しておりますため、待ち時間が長くなる場合がございます。
2受付
受付で健康保険証(もしくはマイナ保険証)、診察券、お薬手帳、医療症などをお出しください。
- 保険証は月1回の確認が必要となります。
- 自費治療の方も保険証の提出をお願いしております。(自費治療と思われていても、保険治療対象の疾患の場合もあるため)
3診察
※問診表に記入いただいてからとなります。混雑時は、スタッフがお話しを伺ってから診察させて頂く場合もあります。
※診察内容によっては順番が前後することがございます。
4治療
診察させていただいた内容に応じて治療を行います。保険診療に関しては院外処方を行っています。
5お会計
お会計の準備ができるまで、待合室でお待ち頂きます。
お支払い方法は、保険診察は現金のみとなります。自費診察はクレジットカード払い(一括払い)もお選びいただけます。
受診時の持ち物
- 健康保険証もしくはマイナ保険証(いずれも原本))
- 医療証(該当の方のみ)
- お薬手帳やアプリ(お持ちの方)
- 診察券(再診の方)
診療項目
アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎とは、慢性的にかゆみを伴う湿疹が繰り返し起こる病態で、皮膚の乾燥、バリアー機能異常があり、そこへ様々な刺激やアレルギー反応が加わり生じます。アトピー性皮膚炎の家族歴がある方や、喘息やアレルギー性鼻炎といったアレルギー体質の方は、アトピー性皮膚炎を発症しやすいとされています。大人になってから初めてアトピー性皮膚炎を発症する方もいらっしゃいます。
成人のアトピー性皮膚炎は、妊娠などによるホルモンバランスの乱れ、ストレスなど多様な要因が組み合わさり、皮膚のバリア機能が弱まることで発症に至ると言われています。
アトピー性皮膚炎の治療
治療などの詳細に関しましては、アトピー性皮膚炎のページをご覧ください。
結節性痒疹
結節性痒疹(けっせつせいようしん)とは
結節性痒疹は、強い「かゆみ」を伴うしこり(結節)が皮膚にできる慢性的な皮膚疾患です。主に腕や脚などの手足に多く見られますが、全身に出ることもあります。長期間にわたって強いかゆみが続き、掻くことで皮膚が硬く盛り上がり、さらにかゆみが強くなるという悪循環に陥りやすい病気です。
原因
明確な原因が特定できない場合もありますが、以下の要因が関与している可能性が指摘されています。
- アトピー性皮膚炎
- 物理的刺激
- 食事やヒスタミンなどの内因性物質
- 悪性リンパ腫、白血病
症状
- 皮膚に硬いしこり(結節)が多数できる
- 非常に強いかゆみ
- 掻くことで出血やかさぶた、色素沈着が起こる
- 治っても再発しやすい
かゆみが夜間に強くなることもあり、睡眠の質が低下するケースもあります。
治療
治療の目的は、「かゆみを抑え、掻かない状態を保つこと」です。
以下のような方法を組み合わせて行います。
- 外用療法:ステロイド外用薬、ステロイド貼付薬、保湿剤など
- 内服療法:抗ヒスタミン薬など
- 生物学的製剤:デュピクセントⓇ
デュピクセントに関しては下記ご参照ください。
にきび
発症してすぐのにきびは、毛穴が詰まった状態です。にきびは、毛包の出口が塞がり、毛穴に皮脂が蓄積することで、アクネ菌が増えて炎症が生じることによってできます。最近は大人になってから治りにくいにきびに悩んでいる方も多く、にきび痕を防ぐためには早期治療が必要です。
にきびの治療
内服薬や外用薬を使った薬物療法が治療の中心です。必要に応じて面圧(膿を出すこと)やケナコルト注射を行います。保険診療で改善しない場合は自費診療が必要なこともあります。当院では、患者様の症状や治療費用などを考慮して、適切な治療をご案内します。詳しくはニキビについてをご参照ください。
粉瘤
粉瘤(アテローム)は良性の皮膚腫瘍の一種です。毛穴の下に袋状の嚢胞が生じ、皮脂や角質が溜まってできた良性の腫瘍です。毛穴がある場所に発生し、中央に黒い点(開口部)が見られることが多いことが特徴です。通常は無痛ですが、炎症を起こすと赤く腫れて痛みを伴うことがあります。
粉瘤の治療
炎症を起こしている時は、当院で抗生剤内服を基本とし、必要に応じて切開排膿をしております。炎症を起こしていない時に限り、日帰り手術を行っております
酒さ
酒さ(赤ら顔)とは顔が赤くほてり、赤にきびに似たブツブツが皮膚に生じます頬や鼻に赤みが生じやすく、毛細血管が広がって、赤く細い線ができる場合もあります。にきびを併発する場合もあります。
酒さ(赤ら顔)を完治できる治療法は存在しませんが、悪化を招く温熱刺激、寒冷、飲酒、喫煙、刺激物の摂取などの要因をできるだけ取り除くことで、症状の改善に繋がります。また、保湿や日焼け止めなどを使ってスキンケアを行うことも大切です。
酒さは、症状に応じて改善速度に差があります。赤みはゆっくりと改善していき、症状が治まるまでに数ヶ月から数年必要となります。
酒さの治療
酒さの治療保険治療では、症状の軽い方ではロゼックスゲル®外用や桂枝茯苓丸®や加味逍遙散®などの漢方を用います。改善乏しい方にはビブラマイシン®、ミノマイシン®を短期で使用することもあります。
保険診療で改善しない場合は自費診療が必要なこともあります。当院では、患者様の症状や治療費用などを考慮してAZA、ステラM22などの自費治療をご案内します。
じんま疹
じんま疹とは
じんま疹とは、急に強いかゆみのある赤い腫れが生じる疾患です。症状は数分から24時間以内で消失することがほとんどですが、悪化すると呼吸困難や血圧低下などが起こる恐れもあり、呼吸困難や血圧低下など伴う際は救急病院をご受診ください。
じんま疹の原因として、薬剤・食べ物・温度変化など原因が明らかなものもありますが、明確な原因が不明なものが約7割以上を占めます。
主な症状
- かゆみを伴う赤い膨らみ(膨疹)
- 発疹が数時間〜24時間以内に消える
- 全身または部分的にあらわれる
- 一時的に腫れ(まぶたや唇)を伴うこともあります
急性じんま疹と慢性じんま疹の違い
- 急性じんま疹:症状が 6週間以内 に治まるもの
- 慢性じんま疹:症状が 6週間以上 続くもの
じんま疹の原因
じんま疹の原因はさまざまで、以下のような要因が引き金になることがあります。
- 食べ物(特定の食品アレルギーなど)や薬
- 皮膚が物に当たったり、ひっかいた部分に症状が出る
- 日光(紫外線)による刺激
- 体が温まることで発症(入浴、運動など)
- 寒冷刺激(冷たい風や水など)
- 皮膚が水に濡れることで発症
※ 約7割以上は、明確な原因が特定できない「特発性じんま疹」とされています。原因がはっきりしているのは約3割未満です。
治療について
じんま疹の治療は主に 薬物療法 によって行われます。
- 抗ヒスタミン薬:内服による基本治療
- 抗ロイコトリエン薬、H2拮抗薬
- 生物学的製剤(デュピクセント、ゾレアなど):内服薬だけでは効果が不十分な場合に使用されます。
※ 薬の自己中断は再発の原因となることがあるため、医師の指示に従いましょう。
注意が必要な症状(アナフィラキシー)
以下のような症状を伴う場合は、すぐに救急外来を受診してください。
- 呼吸困難
- 腹痛
- 血圧の低下 など
※ 薬の自己中断は再発の原因となることがあるため、医師の指示に従いましょう。
ゾレアに関しては下記ご参照ください。
デュピクセントに関しては下記ご参照ください。
いぼ(尋常性疣贅も含む)
最も一般的なイボは医学名では、「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」と呼ばれます。
ヒトパピローマウイルスの感染で起こり、手足に多発することが多く足裏や手の指などにできた微細な傷から感染することが多く、体の様々な部位に感染します。
同じくパピローマウイルスから感染するものに扁平疣贅があげられます。こめかみを中心とした顔に多発することが多く、女性に多いとされています。
いぼ(尋常性疣贅も含む)について
「いぼ」と一口に言っても、実はいくつかの種類があり、ウイルス性のものや加齢性ものがあります。
ウイルス性のいぼの主な種類
① 尋常性疣贅
最も一般的なイボは医学名では、「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」と呼ばれます。ヒトパピローマウイルス(HPV)を原因とし、微細な傷から感染することが多く、手足の指や甲、膝など体の様々な部位に感染します。表面がザラザラしており、角質が厚くなるのが特徴です。自己感染で他の部位にうつることがあります。
② 扁平疣贅
尋常性疣贅と同じく、HPVが原因です。女性のこめかみに見られることが多い平らないぼです。顔や首にできることが多く、肌と同じような色で多発し目立ちにくい特徴があります。
加齢性のいぼの主な種類
① 脂漏性角化症
加齢に伴ってできる良性のいぼです。顔・背中・胸などにできやすい茶色~黒色のいぼで徐々に盛り上がってくることがあります。
② 軟性線維腫
首、脇などにできやすいやわらかい良性のできものです。皮膚がこすれやすい部位にできやすく、「スキンタッグ」「アクロコルドン」とも呼ばれます。
いぼの検査
見た目から診断できることがほとんどですが、より詳細な情報を得るためには、ダーモスコープという専門のルーペを使って検査します。
いぼの治療
いぼの種類や部位、年齢、体質などに治療方法が異なるため下記より適切な治療法を選択します。
| 治療法 | 内容 |
|---|---|
| 炭酸ガスレーザー | ピンポイントでレーザーを用いていぼを焼灼・除去。 |
| 外用薬(保険) | 塗り薬でいぼを柔らかくします。 |
| 液体窒素療法(保険) | −196℃の液体窒素でいぼを凍結して除去します。最も一般的な治療法です。 |
| 内服(保険) | いぼの種類によってはヨクイニン内服も併用します。 |
| 外科的切除(保険) | 大きないぼは切除して病理検査を行うこともあります。 |
手足のいぼ(尋常性疣贅)に関しては液体窒素で凍結させる凍結治療が基本です。
一度の治療では完治は難しいので、1~2週間に1回のペースで治療を続けていきます。多発性や難治性の場合には内服薬、モノクロロ酢酸(MCA)なども併行します。
当院では繰り返し液体窒素を行うと色素沈着しやすい顔や首などは、イボの種類に関わらず炭酸ガスレーザーをお勧めしております。
ほくろ
ほくろについて
ほくろは、「色素性母斑」「母斑細胞性母斑」「黒子」と言われることもある良性腫瘍です。メラニン色素を生成する細胞が増えたもので、先天的なもの、次第に巨大化するもの、大人になってから生じるものに分けられます。成人以降に生じたしみだと思っていたものが、実はほくろだったということもあります。
ほくろは通常、褐色から黒色の色調を呈しますが、青みがかった色を示す場合もあります。形状は、平坦なものからわずかに盛り上がったもの、しっかりと隆起したものまで様々です。
ほくろの検査
ダーモスコープという専門のルーペを使用する検査によって、ほくろの良性・悪性を判断します。より詳細な検査が必要と医師が判断した場合は、病変組織を採取して病理検査に回します。
ほくろの治療方法
ほくろの種類や部位、年齢、体質などに治療方法が異なるため下記より適切な治療法を選択します。当科にて対応困難な場所や大きさのもの、悪性が疑われる時は、専門の医療機関にお繋ぎします。
| 治療法 | 内容 |
|---|---|
| 炭酸ガスレーザー | 良性である程度までの大きさのものはレーザーを用いてイボを焼灼・除去します。 |
| 外科的切除(保険) | 切除して病理検査を行います。 |
脂漏性角化症
脂漏性角化症とは、老人性いぼともいわれ加齢により出現してくる褐色でかさかさしたイボです。
脂漏性角化症の治療
液体窒素療法、手術、炭酸ガスレーザーで治療します。
たこ、うおの目
たこ・うおの目は皮膚の一部に繰り返し負荷がかかることで発生する角質肥厚です。原因は、足の変形やサイズが合っていない靴を長時間履いて歩くことなどが考えられます。
たこは痛みが生じることはほとんどありませんが、うおの目は真ん中にくさび形の芯があり、その芯が神経を押すことで強い痛みが現れます。
たこ、うおの目の治療
治療は、サリチル酸を含む貼り薬を使用するか、専門の器具で削ります。また、刺激を与える要因を除去することも重要です。
水虫
水虫は、白癬菌の感染によって起こる疾患です。水虫と聞くと足に起こるものとイメージされる方が多いと思いますが、白癬菌は顔や頭部、体部、股、手、爪など、あらゆる部位で起こる可能性があります。水虫は約5人に1人が発症するとされており、爪は約10%とされています。
水虫の治療
水虫は、皮膚に白癬菌が付いた状態で24時間いることで発症に至ります。治療は抗真菌薬を使った外用療法を行います。爪水虫に対しては基本的には内服薬を使用しますが、内服するのが難しい方には外用薬を継続的に使います。内服の際は血液検査が必要となります。ご家族の中に水虫の患者様がいらっしゃる場合、バスマットやスリッパなどは使い回さないようにしましょう。また、感染防止のために、入浴時に足をきれいに洗いましょう。
ヘルペス
ヘルペスとは
ヘルペスは「単純ヘルペスウイルス(HSV)」の感染により、皮膚や粘膜に水ぶくれ(水疱)を生じるウイルス性の感染症です。主に以下の2種類が知られています。
- 口唇ヘルペス(口の周りに発症)
- 性器ヘルペス(陰部周辺に発症)
一度感染するとウイルスは体内の「神経節」に潜伏し、ストレス・疲労・風邪などで免疫力が低下したときに再発を繰り返すのが特徴です。完全にウイルスを体から排除することは難しく、生涯にわたって再発のリスクが続く病気です。
ヘルペスの診断方法
通常は、これまでの病歴や皮膚の症状の所見(視診)から診断を行います。しかし、似た症状を示す他の疾患との鑑別が難しい場合は、検査キットを使用して確定診断を行うことがあります。
ヘルペスの治療について
治療には抗ウイルス薬を使用します。飲み薬や塗り薬などのタイプがあり、発症初期に治療を開始することで、症状の軽減・治癒までの期間の短縮が期待できます。
再発を繰り返す方へ:PIT療法
再発の頻度が高い方には、「PIT療法(Patient Initiated Therapy)」という治療法があります。これは、あらかじめ医師から抗ウイルス薬を処方しておき、違和感や初期症状を感じた時点ですぐに服用することで、症状の悪化を防ぐ方法です。

帯状疱疹
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスの感染が原因で起こります。過去に体内の神経節内にウイルスが侵入しており、免疫が低下した際に皮膚症状が現れます。

一般的に、体の左右どちらか一方の神経に沿って帯状にあらわれるのが特徴です。
水ぼうそうにかかったことのある人は誰でも帯状疱疹になる可能性があり、小児でも発症することがあります。発症当初は違和感や痛み、痺れのみで皮膚症状は表れないことも多く徐々に赤みを伴う水疱(水ぶくれ)ができてきます。皮疹が治まった後も痛みが続く帯状疱疹後神経痛(PHN)のリスクがありますので、お気を付けください。
帯状疱疹の治療
早い段階から治療を始めることで、帯状疱疹後神経痛が起こりづらくなります。
初期段階で皮疹がほぼなく診断が困難な場合は、検査キットを用います。
(皮疹がない段階では上記キットは使用できません。)
抗ウイルス剤の服用が治療の基本となりますが、症状が深刻な場合は点滴治療を行う必要がありますので、高度医療機関にお繋ぎします。
また、帯状疱疹は一度なっても再びなる可能性がある疾患であるため、当院では帯状疱疹ワクチンを予約で行っております。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎とは、顔面や頭部、生え際など、皮脂が活発に分泌される場所にできる湿疹のことです。
脂漏性皮膚炎は、皮膚の常在菌であるマラセチア菌が、皮脂中のトリグリセドを遊離脂肪酸に分解し、皮膚を刺激することで起こるとされています。この刺激によって、患部の赤みやフケなどの症状が現れます。皮脂分泌、肥満、ストレスなどにより悪化します。
脂漏性皮膚炎の治療
抗真菌外用薬やステロイド外用薬を使った治療が基本となります。かゆみが激しい場合は抗ヒスタミン薬を使用したりします。
接触性皮膚炎
接触皮膚炎とは、外来性の刺激物質や原因物質 が皮膚に接触することによって発症する湿疹性 の炎症反応のことを指します。原因物質としては、ヘアケア用品や化粧品、衣類、金属製のアクセサリー、動植物などがあります。
接触性皮膚炎の治療
接触皮膚炎の治療では、接触性皮膚炎の原因物質の可能性があるものを別のものに変えることをお勧めします。症状を抑えるために外用薬や内服薬を使用します。接触皮膚炎は繰り返すことにより重篤な症状が現れるリスクもありますので、早めに受診しましょう。
円形脱毛症
円形脱毛症では、髪の毛が突如として円形に抜けてしまいます。自己免疫疾患の一種で、内科的疾患や疲労などによる心身のストレスによって免疫が正常に働かず、毛包組織を攻撃してしまうことで起こります。脱毛症状は、髪の毛が生えている場所であれば、どこでも生じる恐れがあります。また、脱毛前や活動期に入る前に、赤みやかゆみの症状が現れることがあります。
円形脱毛症の治療
脱毛範囲が狭い場合は、ステロイド、フロジンなどの外用薬の使用が効果的です。範囲がある程度広い場合は内服、ステロイド局注、液体窒素などを組み合わせて治療します。改善が乏しい場合、繰り返す場合などは採血も必要に応じて行っています。
肥厚性瘢痕・ケロイド
傷痕の線維成分が過剰に増殖すると、ケロイドや肥厚性瘢痕と呼ばれる状態になります。ケロイドが傷の範囲を越えるのに対し、傷ついた場所のみに盛り上がりを形成するものを肥厚性瘢痕と呼びます。
肥厚性瘢痕・ケロイドの治療
ステロイドの外用薬、貼り薬、注射薬を使います。症状に応じて内服治療も行います。
多汗症(原発性局所多汗症)
原発性局所多汗症について
原発性局所多汗症は、特定の基礎疾患がないにもかかわらず、気温や運動とは無関係に、日常生活に支障をきたすほど大量の汗をかく病気です。
特に以下の部位に、局所的な発汗がみられます。
- 手のひら(手掌)
- 足の裏(足底)
- 脇(腋窩)
- 顔 など
通常は幼少児期ないし思春期ごろから発症します。
原発性局所多汗症の診断基準
- 最初に多汗症状が出たのが25歳以下
- (手のひら・脇の場合)左右同じように発汗する。
- 睡眠中は発汗が止まっている。
- 1週間に1回以上、多汗症状が見られる。
- 家族にも同じ症状の方がいる。
- 多汗によって日常生活に支障をきたしている。
多汗症状が6カ月以上あり、以上のうち2項目以上当てはまる場合、「原発性局所多汗症」と診断されます。
多汗症の治療について
多汗症の治療には、外用薬、内服薬、および汗を止める注射(当院では自費診療)など、さまざまな方法があります。汗の量や出る部位、日常生活への影響に応じて、最適な治療法を選択します。
外用薬
- 腋窩(わき)や手のひらの多汗症には、保険適用の外用薬があります。
- 足の裏(足底)の多汗症には保険適用の薬は現在ないため、当院では塩化アルミニウム製剤を自費で処方しています。
- 外用薬は、軽度〜中等度の多汗症に効果があります。
内服薬
- 自律神経調整薬を使用します。
- 全身の発汗を抑える作用があり、広範囲に汗をかく方に適しています。
- 体質や副作用に注意が必要なため、医師の診察の上で処方いたします。
汗を止める注射(当院では自費診療)
- 発汗を促す神経の働きをブロックすることで、最長6か月間汗を抑える効果があります。
- 特に腋窩の多汗症に高い効果が認められており、日常生活に支障がある方におすすめです。
しもやけ
しもやけの原因
しもやけ(凍瘡:とうそう)は、寒さによって手足や耳などの血行が悪くなり、皮膚が赤く腫れてかゆくなったり、痛んだりする状態です。気温差や湿気が原因で、特に冬場に起こりやすいです。
治療方法
ビタミンE外用薬を用いてケアします。かゆみが強い時にはステロイド薬外用も行います。
やけど(熱傷)

やけど(熱傷)の種類と対応について
やけどは、1度熱傷から3度熱傷までの深さに応じて分類されます。診察時の皮膚の状態をもとに診断しますが、低温やけどのように時間の経過とともに深部まで損傷が進行する可能性があるものもあり、やけどの原因や状態に応じた正しい対応が重要です。
以下に、主なやけどの種類と対応方法をまとめました。
熱湯によるやけど
熱湯など高温の液体によるやけどは、すぐに流水で冷やすことが大切です。痛みが和らぐまで冷やしても、赤みや水ぶくれが見られる場合は、医療機関の受診をおすすめします。
低温やけど
カイロや電気毛布など、比較的低い温度でも長時間接触すると深部まで皮膚が損傷してしまうことがあります。痛みが少なくても、気づいたときには深いやけどになっていることが多いため、速やかに受診してください。
薬品によるやけど(化学熱傷)
薬品が皮膚に触れた場合は、一部の例外を除き、大量の水で洗い流すことが最も重要です。※中和剤の使用は避けてください。
また、受診の際には薬品の名称や成分がわかる情報をお持ちください。
電撃(感電)によるやけど
感電によるやけどは、皮膚表面の損傷が軽く見えても、体の内部(神経・筋肉・血管など)に重大な損傷をきたす可能性があります。
不整脈などの全身的な影響が出ることもあるため、やけどの程度にかかわらず、総合病院など全身管理が可能な医療機関を速やかに受診してください。


