粉瘤・皮膚腫瘍の診断
当院では、ダーモスコピーという専用の10倍拡大鏡を使って腫瘍の状態を確認し、良性・悪性を診断します。
ダーモスコピーを使うことで、ほくろ、老人性いぼ、メラノーマ(悪性黒色腫)、血管病変などの正しい診断や、ウイルス性いぼと魚の目・たこの正確な鑑別に繋がります。
粉瘤・皮膚腫瘍
粉瘤・皮膚腫瘍の
日帰り手術に対応
粉瘤や皮膚のできものである皮膚腫瘍は、薬物療法で完治させることは難しいため、手術をする必要があります。当院で良性のものに関して予約で日帰り手術を行っております。入院の必要はなく、30分程度で外来で対応することが可能です。
悪性腫瘍が疑われるものに関しては近隣の大きな病院にご紹介させていただきます。手術は予約制となっております。まずはご来院頂き、診察をしてから手術日を決めていきます。
未成年の方が手術を受ける場合、保護者の方の同伴が必要です。
※当院では、顔や頭の粉瘤の手術には対応しておりません。
※頭・顔・足底のほくろについては、サイズ・形・場所によっては大学病院や形成外科をご案内する場合があります。
※脂漏性角化症(いぼ)、ほくろ、スキンタッグなどの皮膚腫瘍は、自費診療となりますがCO2レーザーで取り除くことができます。詳しくは炭酸ガスの欄をご参照ください。
治療の流れ
全体の流れ
(4回受診頂きます)
- 受診:手術に関するご相談、手術日の予約、説明・同意書の記入、術前採血
- 手術当日
- 手術当日から約1週間後:抜糸(縫合した場合のみ)
- 手術当日から約2~3週間後:病理結果説明
手術の手順
- 診察で粉瘤や皮膚腫瘍の状態をチェックします
- 局所麻酔下で手術を進めます
- 切開をして病変を取り除きます
- 傷口を縫合して閉じます(粉瘤の場合オープン法となることもあります。)
- 患部に外用薬を塗布し、ガーゼとテープを貼ります
※粉瘤に関しては、手術当日などに激しい炎症が起きていることが判明した場合、手術を中止して適切な治療に切り替えます。炎症が落ち着いてから1ヶ月後以降に手術を行います。
主な適応
粉瘤、ほくろ、石灰化上皮腫、軟性線維腫、血管腫、脂肪腫 など
治療料金
準備中です。
粉瘤とは
粉瘤は良性腫瘍の一種で、毛穴の下に袋状の嚢胞が生じ、皮脂や皮膚の角質などの老廃物が蓄積したものです。良性腫瘍のなかでも特に認められることが多いです。強く押すと、開口部から臭い内容物が出てくる場合があります。粉瘤は自然に治ることはなく、老廃物が次第に増加して、巨大化していきます。
また、細菌感染が起こると炎症が生じ、膿が蓄積して数倍のサイズに巨大化し、痛みや熱感などの症状が現れます。
感染していない粉瘤の治療
外科的切除
痛みを伴わず、赤い炎症が発生していない場合は、外来手術で切除が可能です。手術には保険が適用されます。局所麻酔下で嚢胞部分を切開し、しこりを取り出してから切開部位を縫い合わせます(オープン法となることもあります)所要時間は30分ほどとなり、入院は不要です。必要以上の範囲を切開することはありません。
手術当日は入浴や飲酒は控えて頂きますが、患部を水で濡らさなければシャワー浴はして頂けます。翌日から創部を石鹸・シャワーを優しく洗浄いただきます。、縫合した場合は約1週間後抜糸をすれば施術は完了となります。
感染している粉瘤の治療
抗生剤内服
赤い炎症が発生して腫れている場合は、炎症が落ち着くまで手術を行えません。炎症が軽い場合は、抗生物質を服用し、炎症が治まってから1ヶ月経過後に手術をします。
抗生剤内服 + 切開排膿法
重度の炎症で膿が溜まっていれば、膿を出すために粉瘤を切開します。同時に抗生剤を服用し、炎症が治まってから1ヶ月経過後に手術をします。
その他皮膚腫瘍
「できもの」と言われる皮膚の腫瘍には、以下のようにいくつかの種類があります。
顔のいぼ
顔にいぼが生じると、見た目にも悪影響を与える場合があり、お悩みの方が多いと思います。すぐに取り除いてしまいたいところですが、顔のいぼには老人性のいぼ(脂漏性角化症)、ウイルス性のいぼ(扁平疣贅)、稗粒腫、汗管腫などいくつかの種類があり、治療方法にも違いがあります。
悪性腫瘍でないか確認するためにも、皮膚科を受診して治療を受けることが重要です。
首や脇の下にできるいぼ
(アクロコルドン、スキンタッグ)
首や脇の下などの皮膚の表面から、1~3mmほど飛び出した柔らかいいぼを、軟性線維腫と呼びます。いぼの色は皮膚に似ていたり、少し褐色になっていたりします。衣類などと擦れて継続的に刺激が加わることや、加齢による肌の老化が原因で起こると言われています。
いぼが目立ってお悩みの方、擦れて痛い方は、切除(保険)や炭酸ガス(自費)で取り除くことができます。
手足のいぼ
(尋常性疣贅)
尋常性疣贅
(じんじょうせいゆうぜい)
手足に主に生じるいぼであり、小さな子どもが発症しやすいと言われています。ヒトパピローマウイルスが手足の小さな傷などから皮膚に入り込むことで発症し、数mmから1cmほどのサイズになります。硬くなると痛みを生じ、複数個できると日常生活にも影響が及ぶ恐れがあります。治療は液体窒素を中心にモノクロロ酢酸(MCA)、サリチル酸ワセリン、スピール膏、ヨクイニン内服などがあります。
ほくろ
ほくろができている場合、「悪性にならないか」「見た目が気になる」など様々なお悩みがあり、治療を受けたいという方が多くいらっしゃいます。まずはご受診いただき、悪性の疑いがあるか判断させていただきます。
当院では、美容的視点も考慮しほくろに関する相談が可能です。ほくろを取り除く際は、健康保険適用となる手術や、自費診療となる炭酸ガスレーザーの使用など、患者様の状態に合わせた方法を選択することで、なるべくご満足いただけるような仕上がりになるよう努めています。
※頭・顔・足底のほくろについては、大学病院や形成外科にご案内する場合があります。
赤いできもの
(赤ほくろ・血管腫)
老人性血管腫(チェリースポット)とは、加齢に伴って皮膚に生じる赤いほくろに似たできもののことです。炎症や紫外線によるダメージによって、毛細血管が過度に成長して塊となり、皮膚の表面に隆起することで生じます。悪性腫瘍ではありませんので、経過観察でも問題ありません。保険の手術、自費のレーザーにて加療することが可能です。
脂肪腫
脂肪腫とは脂肪細胞の良性腫瘍で、柔らかく痛みのない通常1から10㎝ほどの腫瘍です。正常な脂肪細胞が存在する部位のどこにでもできます。発症原因は分かっていませんが、肥満、高脂血症、糖尿病をお持ちの方にできやすい傾向があり、体幹に多く見られます。当院では、小さな脂肪腫であれば取り除くことができます。大きな脂肪腫や筋膜の下にある脂肪種は当院での処置は難しいため、提携している大学病院などにお繋ぎします。
皮膚のがん(悪性腫瘍)
皮膚のがんには様々な種類がありますが、なかでも悪性黒色腫(メラノーマ)には特に注意が必要です。発症初期の悪性黒色腫は、皮膚に新たな黒いほくろに似たできものが生じ、急激に巨大化します。こうした経過が見られる場合は、早急に当院までご相談ください。1mm以下の厚みで5年生存率はほぼ100%ですが、4mmを超えると50%程度まで下がります。
皮膚のがんでは、他にも有棘細胞がんや基底細胞がんなどがあります。いずれも高齢の方が発症しやすく、ゆっくりと進行します。肉腫などの皮膚がんもありますが、発症確率は非常に低いです。皮膚のことでお困りのことがあれば、お気軽にご相談ください。